親から子に不動産を継承するなら生前贈与と相続のどちらが得?

親が他界する前に、親名義の不動産などの財産を子供名義に変更する手続きを行えば贈与とみなされます。

生前贈与した場合には贈与税の対象となりますが、贈与財産の評価額や贈与する人、贈与を受ける人の年齢次第では大幅な節税効果を得ることができます。

しかし相続のほうが得になるケースもありますので、親から子に対して不動産を継承させる場合、どちらが得になるかトータル的に考えることが大切です。

生前贈与を行うメリットは?

相続の場合、遺言で誰に財産を継承するか決めていても、他の相続人が遺言内容に意義を申し立てることで遺言通りに相続が行われないこともあります。しかし生前贈与の場合、生前に行えば贈与する人の意思が確実に反映されるので、兄弟姉妹同士で相続争いが起きることを避けることに繋がるでしょう。

また、相続になったときの相続税の負担を軽減する方法としても活用できることがありますが、要件次第では効果を得ることができない場合もあるので確認が必要です。

□メリットだけでない点に注意

なお、不動産を贈与した場合には不動産取得税や登録免許税を負担しなければなりません。贈与税は相続税よりも税率が高いので税負担が大きくなります。実際、生前贈与を行ってもそれほど大きな節税にはならない可能性もあるでしょう。

さらに生前贈与の契約が一度成立してしまうと、他の方法には切り替えることができなくなるので、その後、制度改正などで相続税を選択したほうがよかったという場合に不利になる可能性もあります。

トータル的にどちらの負担が重くなるかを比較し、よく検討した上で行うようにしましょう。

□どのようなケースにおいて生前贈与が有効か

生前贈与でメリットがあるのは、将来、評価額が上昇する可能性がある財産の贈与です。贈与税の場合、贈与が成立した時点での財産の評価額に応じて税率が適用されることになります。そのため、後に評価が上昇する可能性があるなら、先に贈与したほうが税負担を軽減できると考えられます。

相続税のほうが得になるケースとは?

相続税の場合でも基礎控除額が設けられており、「3,000万円+600万円×法定相続人数」までは税金が掛かりません。

一般的なマイホームの相続なら、非課税となる範囲でおさまることが多いのも特徴です。さらに不動産を取得しても原因が相続なら不動産取得税は課税されません。

また、65歳以上の親が20歳以上の子に対して贈与する場合には「相続時精算課税制度」の対象となるので、基礎控除額が2,500万円まで設けられます。贈与した人が亡くなったときには贈与した財産も相続財産としてカウントされることになりますが、先に贈与税を支払っている場合には相続税からその分を控除できます。

これらも踏まえた上で生前贈与か相続かを決めることが大切です。

安易に判断しないことが大切

2015年1月に税制改定が実施され、実質、相続税は増税されています。それに伴い、生前贈与への関心も高まっている状況ですが、生前贈与と相続のどちらの節税効果が高いかはそれぞれの状況によって異なりますので安易に判断しない様にしましょう。

不動産を配偶者が相続しても相続税はかからない?

もし、親や万一のことが起きれば、それまで住んでいた不動産を相続することになるでしょう。しかし実際に相続が発生しても、何をすれば良いか分からないという人もいれば、相続税がどのくらい掛かるのか気になるという人もいるでしょう。

しかし、配偶者が相続する場合には多くの場合、相続税は掛かりません。放置して不動産の価値が下がってしまう前に、どのくらい相続税が掛かるのかなど理解した上で相続手続きを行うようにしましょう。

相続税の対象となるのは?

亡くなった人の預貯金や不動産などの財産、そして亡くなる前3年以内に贈与した財産は相続税の対象です。

ただし、非課税財産に該当する部分や葬儀費用などは差し引くことが可能ですし、基礎控除がある点は忘れないようにしましょう。

相続税の基礎控除額は、「3,000万円+600万円×法定相続人数」で計算されます。

他にも様々な優遇措置が適用される

亡くなった人が残した財産から、非課税財産となる部分の金額、葬儀費用、基礎控除額、そして優遇措置で適用される額を控除して残った分が相続税の対象です。

相続税にはいろいろな優遇措置が設けられていますので、適用させることができるものはないか確認してみましょう。

・配偶者の税額軽減

配偶者が亡くなった人の財産を取得した場合、1億6,000万円、または法定相続分相当額のどちらか多い金額までは相続税が掛からない事になっています。

・未成年控除

相続人が未成年の場合、「6万円×(20歳-相続時の年齢)」で計算した額というように、一定額を差し引くことが可能です。

・障害者の税額控除

相続人が85歳未満の障害者であれば、「6万円×満85歳になるまでの年数」というように一定額を差し引くことができます。

・相次相続控除

10年以内に相続が2回発生した場合、2度目には一定額が差し引かれます。

・外国税額控除

相続税を海外で支払った場合には一定額を差し引くことが可能です。

使わない家は有効活用を

相続税が心配という場合でも、配偶者が相続する場合には税金がかからないことが多いですし、相続対象となる不動産を放置していると家は傷み続けてしまいます。

さらに価値も低下していきますし固定資産税を払い続けなければなりませんので、不動産を利用する予定がないから売却などを検討するようにしましょう。

ただし売却や人に貸すという場合でも、相続登記を行わなければ実行できません。相続登記はいつまでに行わなければならないという期限が設けられているわけではありませんが、名義が変わっていないことで様々なデメリットが生じることを理解しておきましょう。

不動産を税金対策に購入する方法は本当に有効?

人生で最も大きな買い物ともいえる不動産の購入ですが、マイホームはやっぱり一戸建てと考える人もいれば、マンションの方がいろいろと安心だと考える人もいるでしょう。

そこで、不動産を税金対策として購入することを考える場合、どのようなメリットがあるのか理解しておくようにしましょう。

居住用住宅と投資用物件はどちらが得?

不動産を自分が住むために購入する場合と、マンションなどを他人に貸す目的で購入する場合があります。自分が住むなら居住用住宅、他人に貸すなら投資用物件を購入することになります。

どちらにも税対策に利用できる制度がありますので、どちらが得というよりは、なぜ購入するのかという目的に応じて購入するようにしましょう。

居住用住宅を購入した場合は住宅ローン控除が使える

居住用住宅を住宅ローン利用で購入する場合、10年に渡り年末のローン残債の1%分を所得税から控除することができます。よく耳にする住宅ローン控除という制度ですが、所得が多くてたくさん所得税を支払っている人によっては有効な節税方法です。

また、所得税が控除しきれなかった分は、翌年の住民税から差し引くことができるので、さらに節税になります。

不動産経営ででた赤字は損益通算で相殺を

投資用物件を購入し、他人に貸すという不動産経営によって赤字が発生した場合には、サラリーマンとして得ている給料と通算して相殺することができます。

これを損益通算といいますが、不動産経営で経費として多く形状できれば赤字になる可能性が出てきますので、税金対策として経費に計上できるものは漏れなくあげていくようにしましょう。

不動産は相続税対策に有効

そして不動産の節税対策として、もっとも生きてくるのは相続税に対してです。亡くなった人が残した財産の大きさによって、その財産にかかる税金の額は異なります。

財産がなるべく小さくなるようにすれば、税金を抑えることができるわけですが、現金ではなく不動産として財産を所有していたほうがその価値を減少させることができます。

□土地の評価

土地の場合、国税庁の定めている路線価を基準に価値を決めますが、その金額のおよそ8割が相続時の土地評価額となることが多いです。

□建物の評価

建物の場合、固定資産税の評価額が基準となりますが、建築費用の5割から6割で評価されることが多くなっています。

さらに、建物を第三者に賃貸するものだとしたら、評価額から3割を差し引くことができます。さらに、亡くなっていた人が住んでいた土地や事業をしていた土地について一定要件を満たせば、評価額を5割または8割まで減額できるという小規模宅地の特例が適用されればさらに評価額を下げることができます。

不動産購入は相続税対策に有効

現金として資産を所有していても、その金額自体に対して税金を計算することになりますが、不動産の場合は評価額を下げた状態に対して税金を計算させることになるので、相続税対策には有効です。

住宅ローン控除や損益通算など、居住用住宅か投資用物件、どちらを購入するかによって利用できる制度も異なりますが、共通して相続税の対策としては有効ですので検討してみてはいかがでしょう。

法改正により中古住宅の売買で義務化された「インスペクション」とは?

インスペクションとは建物状況調査のことですが、法改正されたことで中古住宅取引のときにはホームインスペクションと呼ばれる住宅診断においての説明が義務化されています。

中古住宅の質を向上させて売買を活性化させることを狙った上で宅建業法の一部が改正されたと考えられますが、どのような影響があるのかを確認しておきましょう。

中古住宅でインスペクションが必要とされる理由

新築住宅であれば、柱や基礎など構造の主要な部分、そして雨水の浸入を防止する屋根や外壁部分については10年間保証することが義務付けられています。さらにハウスメーカーや工務店などによっては、仕上げや設備に対して1~2年は保証するとしていることもあるようです。

対する中古住宅の場合、そもそも劣化が始まった状態で販売されることになるので、物件によって経過している年数や劣化の進行具合、これまでの維持管理状況などはバラバラです。

そのため、現在、建物がどのような状態にあって、あと何年住むことができるのか、また、修繕を必要とする部分はないのかということを確認してもらうことになります。

なお、インスペクションを行うことができるのは、国が認めた講習を修了し、さらに「既存住宅状況調査技術者」の資格を持つ建築士です。

インスペクションで行うこと

中古住宅の現況を把握することができる基礎的な現況検査が必要です。

構造上、安全性に問題のある可能性が高いと考えら得る蟻害、腐朽・腐食、傾斜、躯体のひび割れ、欠損などの有無、そして雨漏り、水漏れの有無、給排水管の詰まりや漏れなど設備配管の劣化の有無などを診断するようになっていますが、あくまで目視が可能な範囲に限定されています。

インスペクションで発見できなかった欠陥への備え

もしインスペクションで確認ができなかった部分に重大な欠陥がみつかった場合に備えて、保険金を補修費用に充てることができるように「既存住宅瑕疵保険」への加入を促すことで購入後のトラブルは防ぐことができます。

また、瑕疵保険への加入は、検査機関による診断を受けて品質を満たす建物であることが求められますので、建物の状況が調査される点でも安心です。

インスペクションを実施すること、万一のために瑕疵保険への加入を促すことで、安心して中古住宅を購入できるようにすることが宅建業法改正の背景にあるといえるでしょう。

中古住宅の取引現場の今後に期待?

中古住宅の売買を行う宅地建物取引業者は、これまではあくまでも仲介役としての役割でした。しかし法改正でインスペクションが義務化されたことにより、重要な役割を果たすことになります。

従来よりも中古住宅の売買が活性化されると同時に、物件が引渡されるまで時間がかかるようになると考えられます。今後、中古住宅の取引現場はどのように変わっていくのか注目していきましょう。

新しく始まったオンラインでの重要事項説明「IT重説」のルールとは?

2017年10月から、賃貸借契約を成立させるまでに行う必要がある宅地建物取引士の重要事項について、直接対面せずにビデオ通話などを通じて行う「IT重説」が認められるようになりました。

従来までは、宅地建物取引士によって、必ず借主と対面で行わなければならなかった重要事項説明ですが、オンラインシステムなどを使って非対面での説明を行うことができます。

これにより、不動産会社で入居申し込みを行ったけれど当日入居審査が終わらなかった場合など、再び不動産会社に足を運ぶことなく契約を完了させることができるので、忙しくて時間が取れないという人にはかなり便利になるといえるでしょう。

重要事項説明とは?

賃貸借契約を締結するために、宅地建物取引士が重要事項説明書を交付し、賃貸借契約が成立するまでの間に重要事項について行う説明のことです。

IT重説のルールに注意!

なお、IT重説にはいろいろなルールが規定されています。

例えば広告アピールの材料として、IT重説登録事業者である旨を事業者の広告に示すことは問題ないとされていますが、IT重説を理由にお金や景品を提供したり、手数料減額といった経済的利益を提供してはならないとされています。もしこのような対応が宅地建物取引業者からあった場合、違法行為ですので注意してください。

また、ガイドラインに基づかない方法で実施した場合には、重要事項説明に該当しないとみなされますので宅地業法違反になります。

どのような方法で実施されるべきなのか、国土交通省の「IT重要事項説明ガイドライン」などを参考に確認しておくと安心です。

参考:国土交通省「IT重要事項説明ガイドライン」
http://www.mlit.go.jp/common/001186915.pdf

手間や時間を省くことができる

IT重説は、パソコンやスマートフォン、タブレットなどからビデオ通話を用いて重要事項説明を受けることができます。これまで不動産会社に足を運んだ上で行わなければならなかった契約までの流れの一部を、わざわざ時間をかけて訪問することなく完了させることができます。

ただし、IT重説が可能なのは、賃貸借契約における借主に対する重要事項説明に限られています。さらに、個人が契約当事者となる売買取引については、検討課題として残されたままです。

今後はIT重説の導入が増える可能性大

IT重説が解禁になったからといって、絶対にIT重説でなければならないわけではありませんが、IT重説ができる宅地建物取引業者とそうでない宅地建物取引業者ではどちらが便利かいうまでもありません。

今後、宅地建物取引業者は他社との差別化を図るため積極的に取り組んでいくことも予測されますので、ますます部屋探しが便利に行えるようになるでしょう。

後悔は回避~相続での生前贈与とは?節税ポイントご紹介

相続は誰にでも訪れるものであり、相続はその人が死去した日から始まります。相続における生前贈与は、贈与の中の1つですが相続扱いになることもあります。。贈与、生前贈与、相続の違いにふれながら、生前贈与が節税となる場合のポイントをお伝えします。

贈与と生前贈与の違い

生前贈与とは、その人(被相続人:財産を分け与える人)が生きている間に財産を分け与えることを約束することです。つまり、生きている間に行われる贈与のことです。なんだ、贈与なのか、そう思われた方もいるでしょう。一般贈与も生前贈与の中に含まれています。生前贈与の枠の中に、一般贈与があるという感じです。では、生前贈与は贈与税が課税されるのかというと、そうである場合もありますが、そうでない場合もあります。

生前贈与で相続税がかかる場合とは?

では、生前贈与で相続税がかかる場合についてお伝えします。

・相続開始前3年以内に行われた贈与

一般的に、相続税対策のために贈与をすることに対して、家族はご本人(被相続人)に申し出にくいと言われています。まだ元気なおじいちゃんに、相続税対策のために贈与しておいてねとは言えませんよね。しかし、ご病気や体調不良などで、ご自身もそろそろ相続のことを考えねばと思う様になるのが相続前3年くらいだそうです。つまり、相続開始前3年以内の期間に、贈与を行い相続税の財産の額を減らし節税とする人が多いということになります。そうなると、相続税の徴収に悪影響が出てきます。そこで、相続前3年以内の贈与は、相続税の財産として相続税を計算し、遺族は相続前3年以内に贈与された財産にかかわる相続税を払うことになるというわけです。

既に支払った贈与税は?

贈与税は、贈与のあった年に徴収されます。相続開始以前3年以内に行われた贈与についても同じで、贈与のあった年に贈与税は支払われていることになります。そうなると、贈与された財産に対して、贈与年度の贈与税と、相続があった時の相続税の二重課税になってしまいます。その場合、相続税を上回る支払った贈与税は還付されることになっているので安心です。

不動産の名義変更は相続開始前3年以内の生前贈与がお得?

不動産の贈与をすると、名義変更を行うとともにいくつか支払う必要のある税金が出て来ます。

・登録免許税:固定資産税評価額の2%
・不動産取得税:固定資産税評価額の1.5%
・贈与税:不動産の価格に対して税率は10~55%まで変動

これに対して、相続財産としてしまえば不動産取得税はゼロ円、登録免許税も0.4%と安くなります。不動産の額について、相続財産になれば、3000万円+(600万×相続人数)までは非課税となります。さらに配偶者だけが相続人の場合、不動産の相続税はゼロ円になります。もしすぐに名義変更が必要な場合であっても、可能なら相続開始前3年以内の期間に不動産の名義変更をしたほうがいいでしょう。

相続開始前3年以内の生前贈与ができなくてもOK

不動産の名義変更について、相続開始前3年以内の生前贈与にすれば、贈与税を支払ったとしても、相続財産となるので、相続税との差額があれば還付されることになります。他に相続財産があったとしても、本来の相続税よりも贈与税分だけ安くなることでしょう。

相続開始前3年以内の生前贈与まで待てないという場合や、相続開始前3年以内の生前贈与で贈与をして名義変更をするとしても、贈与税は支払う必要はあります。その場合、贈与税という大きな資金を準備できないこともあります。つまり、相続前3年以内の生前贈与含む贈与の場合であっても、ある書類を提出しさえすれば不動産の額が2500万円以内であれば、贈与税をゼロ円にできるシステムがあります。その書類とは、「相続時精算課税制度適用申告書」であり、この書類を贈与のあった年度に税務署に提出すれば、贈与された不動産は相続財産となり、贈与税はゼロ円、相続税の課税対象の財産になります。その結果、贈与年度に贈与税を支払う必要がなくなります。もし、不動産の贈与について疑問があれば、不動産会社にご相談されることをおすすめします。

相続で損をしないために~配偶者がいる場合・子もいる場合のポイント

相続において、相続税を支払う人つまり相続人はできるだけ相続税をおさえたいと思うものです。しかし、分配の仕方によってはかなり相続税が高くなることもあります。配偶者だけが相続人の場合、子供もいるので配偶者と子が相続人の場合についてのポイントをお伝えします。

配偶者だけが相続人の場合

父親が死去し、母親と子が相続人の場合で、子が何等かの理由で相続を放棄したとします。この場合の相続人は配偶者だけになります。また、子供がいない夫婦間の相続の場合も配偶者だけが相続人になります。相続人が配偶者だけの場合、配偶者の税額軽減というシステムを使うと相続税の節税となります。

配偶者の税額軽減とは?

配偶者だけの場合、こちらの節税アイテムを使うと、相続税がかなり安くなります。

・配偶者の税額軽減:法定相続分と1億6千万円のうちいずれか高い方の金額までが非課税

例えば、夫の財産が1億円だったとしましょう。この場合、1億円<1億6千万円となります。この場合の相続では、1億6千万円までが非課税だということになりますので、当然1億円は非課税となります。

では、夫の相続財産が4億円ならどうでしょうか。1億6千万円<4億円となります。ここで、先ほどの相続例の財産1億円も、今回の例の4億円もどちらも配偶者だけが相続人となるので、配偶者の法定相続分は100%になっています。配偶者の法定相続分4億円と1億6千万円のいずれか高い方までが非課税となるので、4億円も非課税となります。つまり、夫と配偶者だけの場合、配偶者はいくら財産を相続しても相続税はゼロ円になります。

子2人と配偶者の場合

では、配偶者と子2人が相続人の場合で、相続財産が4億円の場合はどうでしょうか。法定相続分について、子と配偶者がいる場合、それぞれ1/2ずつになります。子全体で1/2なので、1人当たりの法定相続分は、今回は2名なので1/4ずつ、これが子の法定相続分になります。つまり、配偶者が2億円、子一人あたりが1億円ずつの合計4億円となります。この時、配偶者の法定相続分は2億円です。1億6千万円と法定相続分のいずれか高い方までが非課税なので、2億円は非課税です。

一次相続では得・二次相続では損?

子にとって、両親のうちどちらかが亡くなって相続することを1次相続となります。今回の父親の死去での相続は1次相続です。今度、母親の死去での相続のことを二次相続といいます。一次相続では、母親の相続税はゼロ円、子1人あたりの課税標準額は1億円ずつでした。つまり、家族にとっての一次相続での相続税は子の2億にかかるだけですむことになります。

しかし、母親も自分の財産を持っていたとします。2億円の個人財産を持っていた場合、一次相続での相続財産と合わせると4億円が母親の財産の額となります。二次相続では、この4億円を子2人が相続することになり、1人あたり2億円ずつ相続することになります。

子は財産の額そのものに課税されてしまう

しかし、子は配偶者ではないので、軽減額の1億6千円までの控除がありません。そのため、相続した財産のすべてに相続税が課税されてしまうのでかなりの税金を支払う必要がでてきてしまいます。子が相続した2億円のすべてがキャッシュなら、そこから相続税を捻出できるでしょう。しかし、相続財産が不動産や会社などの場合、キャッシュ不足のために相続税を支払うことができないなどの問題も出てきてしまいます。もし、一次相続、二次相続について疑問点があれば、不動産会社にご相談することをおすすめします。

税金対策としてサラリーマンが不動産購入するのは得策?ポイントご紹介

サラリーマンが税金対策として不動産購入するのがいいと思っていませんか?確かに、不動産購入すれば税金対策になるとよく言われています。しかし、実際はある条件のもとでなければ、不動産購入は税金対策になりません。不動産購入で税金対策をするためのポイントをお伝えします。

不動産投資で大切なのは収入

いくらお手頃価格のいい物件があるからと言って、飛びついてしまうのは危険です。なぜなら、その物件の収益性をチェックする必要があるからです。投資によくありがちなのが、不動産投資で節税をしようというものです。サラリーマンなどで資金的に余裕のある人は、不動産を購入し、不動産所得を計上することで給与所得を損益通算し、給与支払い時の源泉徴収分を還付してもらうということもできます。

収入がないと取得価格分が回収できない

確かに、不動産投資をして、不動産を購入、家賃収入を得ることで不動産所得をつくり、それらにかかった経費と家賃収入を相殺し、赤字の額を給与所得から控除するということもできるでしょう。しかし、このままでは、取得した不動産にかかったお金を回収する事は出来ていません。

不動産投資での費用は?

不動産投資の場合、初年度は不動産取得税、登録免許税、印紙税、消費税、手数料、交通費、などが計上できます。そのため、給与所得の源泉徴収の還付は受けられるでしょう。2年目以降は、減価償却費、管理費、借入金の利息、固定資産税を費用とできます。

取得価格を回収するのは家賃収入

不動産投資では、最初に不動産を購入します。3000万で購入したのなら、まずは3000万を回収できるくらいの収入の見込みのある物件を選ぶ必要があります。年収が500万の場合の源泉徴収税額は約10万円です。費用の年間額だけを発生させ、肝心の家賃は空き家状態で収入がゼロの場合、年収500万の課税所得の195万からいくらかは減額できます。減額後の額に税率を掛けてでてきた税金が納付すべき税金なので、差額を還付金として受け取れるでしょう。しかし、ここには赤字だけが発生するので、不動産投資に要した物件費用は回収されることはありません。

サラリーマンが不動産投資をする場合~ポイントは家賃収入

サラリーマンが不動産投資で税金対策をする、つまり給与所得で支払った源泉所得税を還付してもらう場合、その物件が家賃収入を得られる物件かどうかを判断する必要があります。立地条件、物件のある地域の環境、人口、世帯層などからもどんな不動産物件を購入するかの検討をする必要があります。まずは不動産会社にご相談されるのをおすすめします。

インスペクションとは?宅地建物取引業法改正後のポイントご紹介

インスペクションとは、平成29年4月1日と平成30年4月1日に適用される改正された宅地建物取引業法の中で実施される内容のことです。インスペクションが導入されることで、中古住宅の流通化が図られることになり、買い手が増えることが見込まれています。法改正におけるインスペクションについてお伝えします。

中古物件は買いたくない?

現状といて、中古住宅を購入するのに抵抗がある人が多い事が分かっています。その理由として、中古物件の劣化度合いを把握することが難しいからだと言われています。いくら売り手側からいい物件ですよと言われても、劣化具合がどの程度なのか具体的に知ることが出来にくい状況だったからです。

法改正された宅地建物取引業法

宅地建物取引業法が改正、改正後適用されるのは平成29年4月1日と平成30年4月1日です。インスペクションの実施は平成29年4月1日からになります。インスペクションとは、建物のひび割れや雨漏りを専門家による計測で調査することです。

重要事項説明時に買い主に説明義務もある

宅建業者は、インスペクションを実施することとともに、不動産契約の中のイベントの1つである重要事項説明の際に、インスペクションの結果を買い主に説明し同意してもらう義務があります。そうすることで、劣化の度合いを買い主と売り主が共有できることになります。もし、住み始めてから説明と違うとなれば、契約違反となります。しかし、売り主が既存住宅売買瑕疵保険に加入していないと、雨漏り、水漏れ、白蟻などの被害が発生し、買い主からの損害賠償があった場合応じる必要が出て来ます。もし、瑕疵保険に加入していれば、5万円を超える修理代は保険金でまかなうことができるようです。

インスペクション導入により中古住宅の流通化が増える

インスペクションは、物件の申し込み時に宅建業者が専門の業者にあっせんして実施されます。その際に、売り主は検査事業者に依頼、検査事業者は住宅専門の保険会社に依頼し、瑕疵保険に加入することになります。そして、契約時の重要事項説明で、インスペクションが実施され、どんな劣化状況なのかの説明を宅建業者から買い主は受けることになります。

インスペクションが導入されることで、中古住宅に対する不安感がぬぐわれるので、今後ますます中古住宅の売買契約が増えることでしょう。もし、中古物件の購入を検討される場合、まずは不動産会社へご相談されることをおすすめします。

不動産の賃貸契約が楽になる~IT重説におけるルールとは?ポイントご紹介

IT重説は不動産の賃貸契約においてマストとされる重要事項確認をインターネット上で完結できるシステムです。しかし、IT重説にはいくつかのルールがあります。スムーズな賃貸契約ができるよう、IT重説についてのルールとともにポイントをお伝えします。

IT重説の対象となる取引は賃貸だけ?

IT重説の対象となる取引は、不動産の賃貸契約だけになっています。将来的には売買契約も対象なのですが、まだ実用化されていない現状があります。売買契約の時の重要事項説明は、不動産会社で説明を受ける必要があります。

IT重説を行う前に双方がチェックしておくべきこと~お互いの声

IT重説を行う前にチェックしておくべき重要項目は音声です。重要事項説明側の声だけが聞こえればいいという場合はNGです。重要事項説明の中で質問や、契約に関する疑問などもでてくることでしょう。その際に契約者側の声も聞こえるようにお互いが確認チェックしておくことが必要です。

図面の細かい数値を読むことができる画像か?

重要事項説明では、図面を見て話すこともあります。その際に、画像が荒いなどすれば、細かい部分が契約者に伝わらないままIT重説が終わってしまうことになりかねません。画像のチェックもポイントの1つです。宅地建物取引士の表情まで読み取ることができている画像かどうかのチェック、静止画が何枚も重なるような動きになっていないかなども確認しましょう。

重要事項説明書は送付されているか?

宅地建物取引士の記名押印がなされた重要事項説明書や添付書類が契約者の自宅に事前送付されていることがポイントです。インターネット上のメール添付で、契約者がプリントアウトするなどするのはNGです。郵送での事前送付がIT重説のルールになっています。

IT重説当日のルール

IT重説当日も、画像、音声についての最終チェックが必要です。宅地建物取引士から、画面、音声ともに十分見える、聞こえていることについての確認が行われなければいけません。スルーしてIT重説が始まった場合、契約者側から督促を入れるくらいでなければいけません。なんとなく聞こえにくいというのも、聞こえにくいになりますので要注意ですね。

宅地建物取引証の提示

IT重説では、IT重説当日、宅地建物取引士から宅地建物取引士証の提示がないといけないルールになっています。さらに、契約者がそれを見て、本人確認をしたという同意も必要です。契約者が見て確認できたことを宅地建物取引士が確認してくれたかどうかもチェックしておき、確認してもらえなければ確認の督促もいれることが大切です。

今後ますます普及するIT重説

IT重説は、双方にインターネット環境が整備されている必要があるものの、本来、不動産会社に出向いて受ける必要があった重要事項説明が自宅でできるので、無駄に交通費を使う必要がありません。時間の効率化にもつながるので今後ますます普及されそうです。