日暮里は文豪の旧邸宅がある事でも知られています。そんな日暮里の名物に羽二重団子があります。夏目漱石や正岡子規にも食されたとされる羽二重団子はどんな魅力があるのかお伝えしていきます。
羽二重団子とは?
羽二重団子は上質なうるち米だけを何度も搗(つ)いて作った団子のことです。その食感はまるで絹のようで、羽のように柔らかかったことから羽二重団子と名付けられたそうです。
味付けもとてもシンプルで2種類だけなのだそうです。生醤油をつけて焼いたタイプと、餡を団子に巻いたタイプです。生醤油は丁度いい塩梅でしょっぱ過ぎずお酒にもあうのだそうです。
羽二重団子が楕円形な理由は?
日暮里の名物である羽二重団子、一般的なお団子のような球体ではありません。その理由はいくつかあります。
・団子に火が通りやすくなるように
・お供え物の丸い団子は一般庶民が普段食べるのに適さない
このような理由から、羽二重団子は楕円形になっているのだそうです。江戸っ子気質の風情が感じられますね。
あの文豪達も食した?
夏目漱石の「吾輩は猫である」にも羽二重団子は出てくるようです。
・芋坂に行って団子を食いましょうか。先生あすこの団子を食ったことがありますか。奥さん一辺行って食って御覧。やわらかくて安いです。酒も飲ませます。
日暮里は猫の街としても知られています。「吾輩は猫である」にも日暮里の名物が登場するのはどこかご縁が感じられますね。
正岡子規の「道灌山」にも羽二重団子は登場するようです。団子屋の店内には10人以上の人がおり、外では女性2人が団子が出来るのを待っており、団子屋はいつも混んでいるというような内容が記されているようです。
「仰臥漫録」は正岡子規の死の直前まで俳句や水彩画などが綴られた病床記録ですが、こちらでも子規が間食で食べたメニューに日暮里名物の羽二重団子が登場しているようです。
・間食 芋坂団子を買い来らしむ あん付三本焼一本を食ふ 麦湯一杯
司馬遼太郎の「坂の上の雲」にも日暮里名物の羽二重団子は登場しています。
・この茶店は「藤の木茶屋」とよばれて江戸のころからの老舗なのである。団子を売る茶店で、その団子のきめのこまかさから羽二重団子とよばれて往還を通るひとびとから親しまれている。
今はどこに行けば食べられるの?
文豪も食した由緒ある日暮里名物の羽二重団子、日暮里に行った時は食べてみたいと思われた方もおられるでしょう。いくつかのお店でゲット出来るようです。
・羽二重団子 本店:東日暮里5丁目
・羽二重団子 日暮里駅前店:東日暮里6丁目
・羽二重団子 エキュート日暮里店:西日暮里2丁目
本店では、東京23区内に限り日暮里名物の羽二重団子を当日発送してもらえるようです。全国通販ではようかんや、おしるこなどが販売されているようです。
羽二重団子は基本1串あたり4個ですが、日暮里駅前店では少食の方も気軽に食べられるよう1串を2個にしたタイプもいただけるようです。焼きタイプと餡タイプで1串分ならダイエット中でもチャレンジ出来そうです。