事務所を構えることになっている場合、事務所のレイアウトは大変重要です。しかし、パーティションで区切る場合などは消防法を意識した区切りをする必要がありそうです。事務所を構える場合の消防法における注意点についてお伝えします。
パーティションで区切る場合の注意点
事務所のワンフロアを分割し、部屋にしたい場合、パーティションが便利です。しかし、パーティションには様々な高さがあります。注意したいのは天井に接するようにし、まるで壁のように作る場合です。その場合、工事の7日前までに消防署へ「防火対象物工事等計画届出書」の提出が必要になってくるそうです。
排煙設備&火災報知器も準備
パーティションで区切ったとしても、部屋になるため、排煙設備を準備する必要がでてきます。排煙設備についても専門家による工事が必要になってきますので、物件購入先の不動産会社へご相談されることをおすすめします。また、火災報知器も準備しなければいけません。火災報知器の取り付け位置もイメージしながらのレイアウトとなります。
オフィスビルのフロアを借りる場合
フロアの場合、廊下が出て来ます。廊下についても消防法で有効とされる幅が決められている様です。
・両サイドに部屋がある場合:廊下の幅は1.6メートル以上
・片側にだけ部屋がある場合:廊下の幅は1.2メートル以上
避難階段は確保されているか?
火災などが発生した場合、すぐに逃げられるように避難階段が確保されているはずです。しかし、部屋の四隅のうちの一番奥から、避難階段までの距離も確認が必要です。窓がある部屋とない部屋とでは避難階段までの距離も違ってくるからです。
〇窓のある部屋
・14階以下なら60メートル
・15回以上なら50メートル
〇窓のない部屋
・14階以下:40メートル
・15階以上:30メートル
窓のない部屋のほうが、より安全性を確保するために避難階段までの距離も短くなっているようです。
非常階段を開けておくのはNG?
非常階段の鍵は、サムターン(回して施錠する金具)が閉めている時は床と並行になっています。ここで注意したいのは、自動施錠になっていないことです。外部から遠隔操作で開けられる場合や、自動火災報知機の作動に連動して開く場合は自動施錠でもいいようです。しかし、そうでない自動施錠は、緊急時にサムターンで開かないことを避けるためにNGとされているようです。
また、非常階段が設置されている場合、廊下の換気のために開けて置くことがあります。基本的に非常階段は閉めておくのがポイントです。もし、事務所のフロアが高層階にある場合に1階で火災が発生した場合、非常用階段には煙が一杯になり煙突状態になっています。扉を開けておくと、その煙がフロア内に充満してしまうからです。非常階段の扉は常に開けっ放しにしないのが良い様です。事務所を構える場合、消防法関連のことは不動産会社に事前に相談しておいた方が良いかもしれません。